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Showing posts from 2021

ヘルジャと秩父のセムセイ鉱 Semseyite from Herja and Chichibu

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セムセイ鉱(Pb 9 Sb 8 S 21 )は輝安鉱(Sb 2 S 3 )と方鉛鉱(PbS)とを 4 : 9 の割合で混ぜたような組成をもつ 硫塩鉱物 で、産出はかなりまれ。以下、ルーマニアと日本の標本を2つ紹介する。 Semseyite is a rare salfosalt that is understood as a 4 : 9 mixture of stibnite and galena in composition. Here are Romanian and Japanese examples. ヘルジャのセムセイ鉱 Semseyite from Herja Herja Mine, Baia Mare, Maramureș, Romania(ルーマニア、バヤ・マレ、ヘルジャ鉱山) Size: 67 × 56 × 37 mm / Weight: 190 g 方鉛鉱と閃亜鉛鉱とを主体とする鉱石片の一面に、銀黒色の薄板状セムセイ鉱結晶が多数つく。サイズはせいぜい 5 mm ほどだが、ススキの穂のような独特の結晶の集合は容易に視認できる。その他、球状に集合する黒色の炭酸塩鉱物(方解石?)、裏側には石英、黄銅鉱などをともなう。毛状の結晶もついていて、これは毛鉱(もしくはブーランジェ鉱)だろう。 Silver-black semseyite crystalizes in a tabular shape on a piece of lead-zinc ore with small balls of black calcite. There are quartz, chalcopyrite, and hairy crystals of jamesonite on the back side. セムセイ鉱の薄板状結晶。直径 1.8 mm ほどのボールは毛鉱(またはブーランジェ鉱)の針状黒色結晶を内包した方解石で、ヘルジャ鉱山ではよくみられる。 秩父のセムセイ鉱 Semseyite from Chichibu 埼玉県秩父市中津川 秩父鉱山 大黒鉱床 Daikoku Deposit, Chichibu Mine, Nakatsugawa, Chichibu City, Saitama Prefe

高島屋 酒器展 Takashimaya Sake-ware Exhibition 2021

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各務賢周 黄瀬戸ぐいのみ Kagami Masakane, Kiseto Sake Cup 口径 53 mm / 高さ 41 mm / 高台径 34 mm ことしも日本橋高島屋の酒器展にいった。品数は例年より少なめのような気がしたが、量より質、らしい。いくつか気になった品があった中で、口のところが梅の花のようにつくられた黄瀬戸の器を購入。黄瀬戸は日本のやきものの中でもかなり好きなもののひとつだ。釉の濃淡、油揚げのような肌、焦げ具合はなかなかのできばえではなかろうか。正月の器としてもふさわしい。 釉だまりには緑色のタンパンがほどこされる。

東京ミネラルショー(池袋ショー) Tokyo Mineral Show 2021

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コロナの嵐が過ぎ去った(かにみえる)つかの間、池袋でおこなわれている東京ミネラルショーに行ってきた。来場者数的には去年よりちょっと多い感じだった。 I went mineral shopping to Ikebukuro in this apparently calm weekend in the Japanese coronavirus disease. 1. マダンの方鉛鉱 Galena from Madan Borieva Mine, Madan ore field, Smolyan Province, Bulgaria(ブルガリア マダン地域 ボリエバ鉱山) 83 × 55 × 37 mm / 287 g 方鉛鉱のスピネル式双晶が連晶したもの。直径 3 cm までの板状の方鉛鉱が7、8個林立している。以前、 ロシアのダリネゴルスク産 と 秩父産 の同様の標本を紹介したが、このブルガリアのやつは見た目がよかったのでついまた買ってしまった。表面はやや錆びていてギラギラした輝きこそないが、この立体感がたまらない。 A piece of spinel-law twin galena. I have shown similar galena samples from Dalnegorsk, Russia , and Chichibu, Japan , but this Bulgarian one was better in the three-dimensional constitution. 2. カプニックの黄銅鉱 Chalcopyrite from Cavnic Cavnic, Maramureș, Romania (ルーマニア カプニック鉱山) 80 × 60 × 40 mm / 209 g ほぼ石英と黄銅鉱のみからなる標本。両面に結晶がくっついており、どちらを正面にするか悩ましい。日本の東北地方の石英・黄銅鉱脈から産出する標本と雰囲気がにており、「耳つき双晶」に準ずる結晶もみられる。カプニック(カブニック)地域には大規模な多金属鉱脈鉱床がひろがっているが、一部にはこのような石英・黄銅鉱脈があり、東北あたりとおなじような熱水環境、鉱化作用が

もこもこ鉱物 Globular Minerals

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ミネラルショーなどで丸っこいもこもこした鉱物をみつけるとほしくなってしまう。 I can't suppress appetite for minerals of globular or botryoidal crystal habits. 1. 尾太の菱マンガン鉱 Rhodochrosite from Oppu 青森県中津軽郡西目屋村 尾太鉱山 Oppu Mine, Nishimeya Village, Aomori Prefecture, Japan width: 55 mm / weight: 126 g 世界の菱マンガン鉱(ロードクロサイト)ファンのあいだでよく知られている尾太鉱山の特産品。尾太の菱マンガン鉱はほとんどがこのもこもこタイプで、よくあるような菱面体の結晶はむしろまれである。閉山から40年以上経っていて新たな産出はほとんど望めない一方、今後も鉱物愛好家の需要は一定数あると思われることから、将来的には貴重な標本となるだろう。 Botryoidal rhodochrosite is the Oppu mine's speciality known by world mineral collectors. Rhombohedral rhodochrosite is rather uncommon in Oppu. After more than 40 years since the closure of the mine, this type of rhodochrosite will be a rarity more and more. 2. ダリネゴルスクのボール状菱鉄鉱 Siderite Balls from Dalnegorsk Dal'negorsk, Primorsky Krai, Russia (ロシア 沿海地方 ダリネゴルスク) width: 29 mm / weight: 11 g 径 12 mm までの薄茶色のボールがいくつかくっつきあっている。方解石の扁平な菱面体結晶もみられる。これら球状物体は微細な菱鉄鉱の結晶が集合してできたものだ。小品ではあるが角度によってはコアラみたいな動物の顔にも見え

パキスタンの緑柱石 Aquamarine from Pakistan

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Gilgit, Pakistan (パキスタン ギルギット) width: 60 mm / weight: 90 g 白雲母の茂みの中にうっすら淡青色を帯びた緑柱石(ベリル)の透明結晶がいくつか成長している。アクアマリンとよばれて宝石として珍重されている。湯島天神の菊まつりをみたあとで御徒町のアフガンブラザーズに寄ってみたところ、急にアクアマリンが欲しくなって衝動買い。御徒町の宝石・貴石店は基本的には問屋で日曜祝日はやすみだが、この店はほとんど年中無休なのではないかとおもわれるくらい、いついっても開いている。アフガニスタンやパキスタン産の鉱物は継続的に入荷しているようで、定期的に行くと掘り出し物に出会えるかもしれない。

湯島菊まつり Yuishima Chrysanthemum Exhibition

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湯島天神で 菊まつり がやってたのでのぞいてみた。あさって品評会が開かれて受賞作が決まるとのことだったので、見頃は今週末だろう。 The 43rd Chrysanthemum ( kiku blossom) Exhibition at Yushima-Tenjin shrine, Tokyo. 近所の小・中学校の生徒の作品も展示されていた。立派な出来栄えである。わたしも中学校の頃、技術・家庭で菊を育てた記憶がある。茎を切って3本に枝分かれさせようとしたような、しなかったような。なかなかうまいこといかなかった気がする。そういう意味でいうとこの子たちは菊作りの才能があるか、もしくは教える人が上手なのだろう。 Students' works. その後、歩いて御徒町方面にいって いい靴下 と 石 を買った。

ペルーの石膏 Gypsum from Salinas de Otuma

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Salinas de Otuma, Pisco Province, Ica Region, Peru ペルー イカ県ピスコ郡 サリナスデオトゥマ width: 7 cm, weight: 61 g ペルーの砂漠地帯の岩塩鉱床中に生じた飴色透明の石膏の結晶群。大きな結晶はすべて双晶。六角板状の結晶が二枚貝のように合わさったもので、(010)の断面をみると燕尾型になっている。 前に紹介したハンガリーの標本 と類似点が多い。晶癖が似ているのみならず紫外線長波で白っぽく蛍光し、さらに燐光も発する。基盤部分もおおむね石膏の微結晶からなるが、試しになめてみたところ塩辛かったので、細かい岩塩の結晶も伴っているとおもわれる。 Amber-yellow transparent gypsum twins found from a rock-salt deposit in the Peruvian desert region. This specimen is similar to the Hungarian one in crystal habit and also in the fluorescent and phosphorescent properties. My tongue detected salt at the base. 燐光を発するようす。

細倉当百 鉛銭 Hosokura-Tohyaku Lead Coin

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一辺約 58 mm、厚さ 7 mm、おもさが 195 g もある大型の鉛銭「細倉当百」。幕末のある時期に細倉鉱山で実際につかわれたらしい。 A large square lead coin of 58 mm in width and 195 g in weight. これはおそらく日本史上もっとも「重い」お金で、仙台藩が文久年間(1861〜1863年)に細倉鉱山(現在の宮城県栗原市鶯沢)の山内で通用させるためにつくったものだ。重さにはばらつきがあり平均 175 g とされるが、上に示したものは 195 g でやや特異的に重い。こんな重いお金は不便極まりないとおもうが、残存数が相当あることからして、短い期間ではあるが実際にある程度流通したものらしい。 一般に江戸時代の大きな鉱山は藩(場合によっては幕府直轄)の厳重な管理下におかれ、外部との交流が制限された。隠れて鉱産物を持ち出したり、外部の者が鉱山内で自由に商売したりするのを防ぎ、鉱山がもたらす利潤を独占するためである。だから鉱山関係者はすべての経済活動を鉱山内で完結せざるをえない傾向にあり、賃金の支払いや生活必需品の購入等は鉱山内でのみ通用する鉱山札の類でやりとりされる場合が多かった。実際細倉鉱山でもそうした紙幣が使用されていたようだが、なぜか幕末のある時期にこのとんでもなく重い鉛銭が発行された。これ一枚で百文の値打ちがあったとされるが、同じ当百文の天保通宝の 10 倍近い重さである。こうした地方限定のお金としては秋田藩でも鍔銭や波銭がつかわれているし、おなじような鉛銭は米沢藩でも発行された。なぜこうした地方貨がこの幕末期に雨後の筍のごとくあらわれたのか、いまだよく理解できないものがある。 This is definitely one of the heaviest coins in the Japanese history, issued by the Sendai clan in Bunkyu era (1861-1863) as a currency limited within the Hosokura lead mine (Uguisuzawa, Kurihara City, Miyagi Prefecture). The weight is 175 g in average

寛永通宝 秋田銭 Kan'ei Tsuho Akita Mint

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左から古寛永通宝(1636年〜 φ24.4 mm × 1.0 mm 3.4 g)、新寛永通宝(1668年〜 φ25.4 mm × 1.2 mm 3.5 g)、寛永通宝秋田銭(1738年〜 φ23.6 mm × 0.9 mm 2.7 g)。初期銭である前二者は黄土色だが、秋田銭は色が赤黒い(錫成分が少ないためとおもわれる)。また「永」の右払いの先が折れ曲がっている。 From left to right: Old Kan'ei Tsuho (1636-), New Kan'ei Tsuho (1668-), and Kan'ei Tsuho Akita Mint (1738-). 寛永13年(1636年)、幕府は江戸浅草の橋場、その他数カ所に銅銭の鋳造所を開設し、一文銭「寛永通宝」を発行した。これは江戸時代に流通した最初の本格的な銅銭で、当時の混乱した貨幣経済情勢を一新するものだった(それまでは中国からの輸入銭やそれを模してつくった粗悪な私鋳銭・びた銭などが入り混じって通用していた)。この銅銭の発行は一時中断したが、しだいに流通量が不足してきたため、誕生から30年あまり後の寛文8年(1668年)、こんどは江戸亀戸に鋳造所を設けて新しい寛永通宝を発行した。収集家はそれまでの寛永銭を「古寛永銭」、リニューアルされたものを「新寛永銭」と区別している。これら寛永銭はその後200年以上の長きにわたって庶民間の売買等で広く使用されることになる。 寛永銭はいまで言えば10円玉みたいなものである。大量に必要な割に額面が低く製造コストがかかるので、幕府は鋳造所を全国各地に分散させてその経営を外部委託した。秋田藩では元文2年(1737年)11月に鋳造許可を得て、翌年4月から藩の事業として寛永銭を発行した。秋田領内には銅の産地が多く原料はふんだんにあったし、銅銭の発行は藩の利益にもなるので、まさに願ったり叶ったりである。なお元文年間には秋田以外にも京都、日光、大阪など多数の鋳造所が新規に設けられている。 冒頭の写真はその秋田製の寛永通宝を示したもので、現在の秋田市川尻(旧雄物川の至近で秋田刑務所の敷地のあたり)にて製造された。現存する寛永銭をみてそれが元文期の秋田で鋳造されたものか、そうでないかの区別はとてもかんた

シュイコウシャンの閃亜鉛鉱 Sphalerite from Shuikoushan

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Shuikoushan ore field, Changning County, Hengyang, Hunan, China 中国湖南省衡陽市常寧市 水口山鉱山 width: 5 cm / weight: 17.5 g 細かいキラキラした石英で覆われた鉱片上に、径 7 mm までのやや明るい褐色透明の閃亜鉛鉱の結晶、いわゆるべっ甲亜鉛がくっついている。産地のシュイコウシャン(水口山)地域は中国でも有数の規模の鉛・亜鉛鉱床が知られ、いまも現役で採掘されている。世界の金属鉱山が閉山していくなか、ジェム品質の閃亜鉛鉱の供給地として貴重な存在であろう。 鉱物あつめの熱は最近やや停滞気味なのだが、毎年恒例の秋葉原のミネラルフェアがやってたので、近所だし行ってみた。行くと買ってしまうのが困ったものだ。 Brown transparent sphalerite crystals to 7 mm in size are scattered with minute quartz. Shuikoushan ore field is known as one of the largest lead-zinc deposits in China. The mines are still active, providing clear sphalerite specimens to world mineral collectors. 反対側も結晶している。

お多福の絵盃 A Kutani Otafuku cup

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19世紀末〜20世紀前半。径は約 5.5 cm。 Late 19th century to early 20th century 骨董屋によると明治〜昭和初期頃の九谷焼の盃だという。お膳の上に裏返した状態で置かれているときは鬼の顔、ひっくり返してお酒をのむときはお多福の絵というわけで、まさに「鬼は外、福は内」のとんちが利いていておもしろい。 A Kutani ware made in Meiji to early Showa periods. This is a sake cup of a woman's face ( otafuku / okame ) that is believed in Japan to bring on good fortune, but the bottom is a devil's face. This means happiness shall be inside and bad things outside. 裏側は鬼の顔。 銘がいまいち解せない。「九」字と「古」字のあいだに「点々」が打たれているように見える。「九谷」っていうことなんだろうか? 追記 この手の盃は「鬼面盃」とか「お多福盃」とか「節分盃」などと呼ばれ、古くは江戸期からあったものらしい。明治〜大正時代にかけて九谷、備前、佐渡など各地で盛んにつくられたという。 玩盃庵さんの珍盃コレクション 。鬼面盃もたくさん展示されている。 よーさんのコレクション 。

マイクロマジック

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ポテポテキュン! TBSラジオ ハライチのターン