村山地方の土人形・おかわり Another Clay Doll from Murayama District
鯛を抱える少年 #1:高さ 12.9 cm、幅 11.2 cm。 この土人形は、江戸末期から明治期に山形県村山地方でつくられたもの(いわゆる堤系人形)と考えられる。お顔や着物の柄の描き方などに、工人の熟練した技が垣間見える。色鮮やかで、いかにも楽しげな人形である。以前手に入れた人形で作風がよく似たものがあり、同じ作者がほぼ同時期につくったと考えていいだろう(下の比較写真を参照)。 手慣れた筆さばきで、屈託がない。底は閉じられていないが、これは堤系人形に一貫してみられる特徴である。 左(#2)は以前入手した土人形で、高さは 11.2 cm。これらは絵の具の色合いや作風がたいへんよく似ている。 お仲間集合 いわゆる堤系人形については すでに別の記事でいくつかの例を紹介した が、ここで改めてそれらを分類・整理してみる。 下の2つはどちらも大黒さまをかたどった土人形だが、お顔の描き方や、着物の花柄文様など、類似点が多い。粘土に厚みがあって、持ったときにかなり重みを感じるのも特徴で、どちらもおなじ作者をおもわせる。 どちらも大黒さまをかたどった人形。左(#3)は高さ 10.0 cm、右(#4)は高さ 9.9 cm。 下の3体も大黒さまとえびすさまである。左の2体のえびす像は、大きさこそ違えど、作風がよく似ており、同じ工人の作品をおもわせる。右の大黒像も同じ作者と言われればそのようにもおもえる。これらはみな薄造りで、前の2体(#3と#4)とは作行きがやや異なる。 わたしは大黒・えびすコレクターではないのだが、たまたまこのように複数の人形があつまったという事実は、幕末から明治前期頃の村山地域における大黒・えびす信仰の篤さを暗に示しているのかもしれない。 左(#5)のえびすさまは高さ 14.4 cm、真ん中(#6)のえびすさまは高さ 9.9 cm、右(#7)の大黒さまは高さ 12.9 cm。 わたしは今回、これまであつめた7体の「堤系人形」を、以上のとおり3つのグループに分...