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Showing posts from January, 2021

國學院大學博物館 Kokugakuin University Museum

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常設展示より、巨大な埴輪の数々。 Huge haniwa clay images from the permanent exhibition. 東京・渋谷にある 國學院大學博物館 にいってきた。古伊万里の詩文の猪口に端を発して、江戸期の庶民と漢詩との関わりに興味をもっていたところ、ちょうど「唐詩選」についての特別展示があるというので、小雨の中、表参道駅から歩いて向かった。 「唐詩選」の特別展関連の記事はこちら 。 この博物館の前身は大学が所有する考古学資料の陳列所だったらしく、とくに縄文時代から古墳時代の遺物の展示が充実している。照明が落とされた館内にさまざまな器物がライトアップされて、とてもきれい。はじめて訪れたのだが、期待以上におもしろくて、たいへん満足した。 I went to Kokugakuin University Museum in Shibuya, Tokyo, mainly to see a special exhibition on how Japanese people in the Edo period enjoyed Chinese poems of the Tang Dynasty (see my previous post ). However, the permanent exhibition, especially archeological materials in the Jomon to Tumulus periods, was more interesting than I thought. 縄文の土器の数々。急須や薬缶みたいな注ぎ口がついた土器(注口土器)は、現代の陶芸家でもまねできないんではないかというくらいに味わい深いものがある。 Earthenwares in the Jomon age (about 16000 to 3000 years ago). 古墳時代のやきものの棺桶(陶棺)。色の違う土で三角のモザイク模様をつくっているのがおもしろい。のちの「練上手」に通ずるのだろうか?埴輪もそうだが、こんな大物をきれいに焼き上げるのは相当の困難があったはずだ。 A clay coffin in the Tumulus period (about 1600 to

漢詩文 小猪口 Chinese Poem Small Cup

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18世紀末 Late 18th century 口径 top width: 53 mm / 高台径 bottom width: 29 mm / 高さ height: 57 mm やや末広がりの細長い小猪口で、胴回りと器の内側とに漢詩を書く。外側の詩文の上にはぐるりと丸文をめぐらしている。器は薄造り、紅縁もほどこされて手が込んでおり、18世紀末か19世紀初頭くらいの上手の猪口とおもわれる。文字はだいぶ崩れているとはいえ、これだけの小さな器に40字の字数を下書きもなくすらすらと呉須で書き、さらに器の内側にまでしたためるという有田の職人のスキルは、もはや神業である。ずいぶん昔に京都の骨董屋で手に入れた。 A Chinese poem is written with a blue glaze on both outer and inner sides of a small cup. A circle pattern above the poem as well as brown rim and thin body indicates this cup was made in an elaborate way. The painter's skill to write forty characters on this small cup is incredible. おなじ漢詩文が内側にも書かれる。 かろうじて解読できた何文字かをたよりに調べたところ、これは張説(ちょうえつ、667−730)の「 幽州の夜飲 」(幽州はいまの北京を中心とした河北省一帯)と題する詩にまちがいない: The poem is Drinking at night in Yu-chou by Zhang Yue (667−730): 幽州夜飲 涼風吹夜雨 蕭瑟動寒林 正有高堂宴 能忘遅暮心 軍中宜劍舞 塞上重笳音 不作邊城將 誰知恩遇深 涼風 夜雨を吹き 蕭瑟(しょうしつ=風が寂しく吹くこと) 寒林を動かす まさに高堂(こうどう=立派な建物、大広間)の宴あり よく遅暮(ちぼ=年の暮れ、転じて老いぼれること)の心を忘る 軍中(ぐんちゅう=軍隊では) よろしく剣舞すべく 塞上(さいじょう=辺境の地では) 笳音(

鍋島色絵 菊花文猪口 Chrysanthemum Nabeshima Cup

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19世紀 19th century 口径 top width: 83 mm / 高台径 bottom width: 33 mm / 高さ height: 51 mm これは伊万里焼の中心地である有田から 5 km あまり北に位置する伊万里市大川内町で焼かれた鍋島焼の猪口である。ここは江戸時代、当地を治めていた佐賀藩(鍋島藩)直轄の窯があったところで、最高の職人をかかえて、当時得られるもっとも上質な土と釉薬をもちいて、幕府等への献上品を少量のみ生産した。その作陶技術は外にもれないよう厳重に管理されたという。この作品は、鍋島焼全盛期の17世紀後半〜18世紀初頭のものにくらべたら簡素で見劣りするが、それでも凛とした薄造りの器体や、絵付けの手慣れた感じは、ふつうの古伊万里とのちがいを感じさせる。 10年以上前に東京・青山にあったたさぶろうという店(いまはない)で手に入れた。わたしはのぞき猪口みたいな小さな猪口に興味があって、それ以外の古伊万里はあまり買う気はなかったのだが、店主があまりにすすめてくるのでおもわず買ってしまった。 This cup is a Nabeshima ware made in Okawachi-cho, Imari City, about 5 km north from Arita, the ceter of Imari-ware production. Nabeshima ware was a special Imari ware managed by the local governor and crafted by selected potters with the best-quality clay and glaze as gifts for the Edo shogunate of Japan. The production technique was strictly protected not to be imitated. The above cup is so simple that it is much inferior to the Nabeshima wares in the late 17th and the early 18th century. However, the thin body

松竹梅文 芽猪口 Pine-bamboo-plum Pattern

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18世紀 18th century 口径 top width: 60 mm / 底径 bottom width: 40 mm / 高さ height: 40 mm 三方にそれぞれ松竹梅の文様を描いた小猪口。薄造りで、なかなか上手の作品である。裏銘は渦福。コロナがはやる前に東京・有楽町で不定期開催されている大江戸骨董市で手に入れた。 そば猪口をぎゅっと小さくしたようなこの様式の器は芽猪口とか姫猪口とよばれる。当時どのような用途にもちいられたのか定かではないが、おそらくのぞき猪口と同様に刺し身のつけ汁やちょっとした珍味いれとしてつかわれたのだろう。 A small cup with three drawings of pine tree, bamboo, and plum tree ( sho-chiku-bai ). This is a small version of soba choko , which would be used as a container for sashimi sauce like nozoki choko . This type of small Imari cups is often called me choko (a sprout cup) or hime choko (a princess cup). 裏銘。

宮田又の三角黄銅鉱 Triangular Chalcopyrite from Miyatamata

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秋田県大仙市協和荒川 宮田又鉱山 裸馬ヒ Rama Vein, Miyatamata Mine, Daisen City, Akita, Japan 硫化鉱物としてはほぼ黄銅鉱のみが晶出し、それを覆うように方解石の犬牙状結晶が降り積もったような鉱片。ごく少量の閃亜鉛鉱もみられる。基盤側には石英と黄鉄鉱とがついている。 以前紹介した標本 とよく似ている。上の写真の中央に輝く黄銅鉱は底辺が 15 mm ほどあって、いわゆる三角式の結晶に分類されるだろう。ざっと見たところ他にも2個ほど似たような結晶がある。ただしいずれもそれっぽい結晶面をみせるのは片面のみ。単結晶ではなく、裏側はべつの結晶と連晶しているようだ。 A similar example to a previous one from Miyatama's quartz-chalcopyrite vein on which a number of scalenohedral calcite are scattered with a small amount of sphalerite. The central crystal in the above photo will be categorized to the so-called triangular chalcopyrite. I could find another two triangular crystals, but none of them is a single crystal, growing together with another crystal of different habit. 冒頭写真の中央の結晶。底辺は 15 mm ほど。おそらく m(110)、y(313)、p(111) からなる。 This crystal measures 15 mm at the bottom, probably composed of m(110), y(313), and p(111) faces. 冒頭写真の左下部の結晶。底辺は 20 mm 近くある。おそらくおもに m(110)、e(101) からなっており、底辺近くに p(111) がみえる。前のより扁平な三角形になっ