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ペルーの石膏 Gypsum from Salinas de Otuma

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Salinas de Otuma, Pisco Province, Ica Region, Peru ペルー イカ県ピスコ郡 サリナスデオトゥマ width: 7 cm, weight: 61 g ペルーの砂漠地帯の岩塩鉱床中に生じた飴色透明の石膏の結晶群。大きな結晶はすべて双晶。六角板状の結晶が二枚貝のように合わさったもので、(010)の断面をみると燕尾型になっている。 前に紹介したハンガリーの標本 と類似点が多い。晶癖が似ているのみならず紫外線長波で白っぽく蛍光し、さらに燐光も発する。基盤部分もおおむね石膏の微結晶からなるが、試しになめてみたところ塩辛かったので、細かい岩塩の結晶も伴っているとおもわれる。 Amber-yellow transparent gypsum twins found from a rock-salt deposit in the Peruvian desert region. This specimen is similar to the Hungarian one in crystal habit and also in the fluorescent and phosphorescent properties. My tongue detected salt at the base. 燐光を発するようす。

細倉当百 鉛銭 Hosokura-Tohyaku Lead Coin

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一辺約 58 mm、厚さ 7 mm、おもさが 195 g もある大型の鉛銭「細倉当百」。幕末のある時期に細倉鉱山で実際につかわれたらしい。 A large square lead coin of 58 mm in width and 195 g in weight. これはおそらく日本史上もっとも「重い」お金で、仙台藩が文久年間(1861〜1863年)に細倉鉱山(現在の宮城県栗原市鶯沢)の山内で通用させるためにつくったものだ。重さにはばらつきがあり平均 175 g とされるが、上に示したものは 195 g でやや特異的に重い。こんな重いお金は不便極まりないとおもうが、残存数が相当あることからして、短い期間ではあるが実際にある程度流通したものらしい。 一般に江戸時代の大きな鉱山は藩(場合によっては幕府直轄)の厳重な管理下におかれ、外部との交流が制限された。隠れて鉱産物を持ち出したり、外部の者が鉱山内で自由に商売したりするのを防ぎ、鉱山がもたらす利潤を独占するためである。だから鉱山関係者はすべての経済活動を鉱山内で完結せざるをえない傾向にあり、賃金の支払いや生活必需品の購入等は鉱山内でのみ通用する鉱山札の類でやりとりされる場合が多かった。実際細倉鉱山でもそうした紙幣が使用されていたようだが、なぜか幕末のある時期にこのとんでもなく重い鉛銭が発行された。これ一枚で百文の値打ちがあったとされるが、同じ当百文の天保通宝の 10 倍近い重さである。こうした地方限定のお金としては秋田藩でも鍔銭や波銭がつかわれているし、おなじような鉛銭は米沢藩でも発行された。なぜこうした地方貨がこの幕末期に雨後の筍のごとくあらわれたのか、いまだよく理解できないものがある。 This is definitely one of the heaviest coins in the Japanese history, issued by the Sendai clan in Bunkyu era (1861-1863) as a currency limited within the Hosokura lead mine (Uguisuzawa, Kurihara City, Miyagi Prefecture). The weight is 175 g in average