お多福の絵盃 A Kutani Otafuku cup

19世紀末〜20世紀前半。径は約 5.5 cm。
Late 19th century to early 20th century

骨董屋によると明治〜昭和初期頃の九谷焼の盃だという。お膳の上に裏返した状態で置かれているときは鬼の顔、ひっくり返してお酒をのむときはお多福の絵というわけで、まさに「鬼は外、福は内」のとんちが利いていておもしろい。

A Kutani ware made in Meiji to early Showa periods. This is a sake cup of a woman's face (otafuku/okame) that is believed in Japan to bring on good fortune, but the bottom is a devil's face. This means happiness shall be inside and bad things outside.

裏側は鬼の顔。
銘がいまいち解せない。「九」字と「古」字のあいだに「点々」が打たれているように見える。「九谷」っていうことなんだろうか?

追記

  • この手の盃は「鬼面盃」とか「お多福盃」とか「節分盃」などと呼ばれ、古くは江戸期からあったものらしい。明治〜大正時代にかけて九谷、備前、佐渡など各地で盛んにつくられたという。
  • 玩盃庵さんの珍盃コレクション。鬼面盃もたくさん展示されている。
  • よーさんのコレクション