白岩焼っぽい砧形の徳利 Shiraiwa-like Kinuta-type Bottle

高さ 25 cm、胴径 13.5 cm。容量は1升くらい。 Height: 25 cm / Width: 13.5 cm / Volume: 1.8 L 某ネットオークションで入手した。出品者は備前焼だと言ったが、わたしがここ3年ほどに得た浅い知識に照らせば、秋田の白岩(しらいわ)焼ではないかと疑っている。 布をたたいて柔らかくする道具である砧(きぬた)に似た形状のこの手の徳利は白岩ではしばしばみられる。首の根元部分をドーム状に丸くする細工はこの産地独特のものだ(たとえば これ )。線刻で幾何学文と菊花文とをあらわしているが、こういった装飾技法も白岩ではめずらしくない。底部に近いところに3本の筋を平行に刻むのは白岩のお約束である。高台の雰囲気も悪くない。胴体と首とがちょっとずれていて、角度によってはひしゃげて見えるのも、いかにも田舎の細工をおもわせる。 白岩っぽくないところを指摘すると、まず全体にかけられている褐色の釉薬(赤釉)は照りが強く、色合いも多少明るめで、ほとんど飴釉に近い。ふつう白岩の赤釉はもっと土っぽく、マットな感じだ。口縁はやや薄すぎるきらいがある。それから高台の畳付きの部分は釉をはぐのが普通だとおもうが、この徳利は赤釉がついたままである。またこの手の細工物には作者の印銘(二瀧とかハ鉄とか)が押されていることが多いが、これは無銘。しかしながら、こうした特徴は、絶対に白岩ではない、というほどの強い反証にはならないだろう。 手にとってみると、いかにも古い田舎のやきものといった、素朴なあたたかみを感じる。出自は定かではないが、感覚的には良いやきものである。 This ceramic bottle was sold at an online auction as a Bizen ware, made in Okayama, but I guess from my three-year experience that it would be made in Shiraiwa, Akita. The shape resembling kinuta , which was used for fulling clothes, with a hemispherical joint between the neck and body pa...