御徒町でお買い物

東京都のJR御徒町駅の南東側一帯は、言わずとしれた貴金属、宝石、宝飾品の問屋街である。わたしの興味に沿うような店はほとんどないのだが、先週末、買い物がてらちょっと寄ってみた。

アフガンブラザーズ

ここはアフガニスタンやパキスタンあたりの鉱物標本を扱っている。今回は、再来週の池袋ショーの準備なのか、店員さんが鉱物標本をホットボンドでアクリル板に固定する作業をしていて、できた製品がたくさん店頭にならべてあった。つぎの2点を手に入れた。

ファーデン・クォーツ Faden Quartz

Waziristan, Pakistan (パキスタン、ワジリスタン)
Size: 64 × 30 × 7 mm

真ん中に白い筋があって、そこから両側に石英の板状結晶が成長している。水晶の日本式双晶でこういう白い筋がはいっているのを見たことがあるが、それと似ている。でも双晶というわけではなさそうだ。

ジルコン Zircon

たぶん Astore Valley, Gilgit-Baltistan, Pakistan (パキスタン)
Size: 40 × 30 × 21 mm

径 1.5 cm までの赤ブドウ色のジルコン結晶が数個、黒雲母を主体とする母岩に埋まっている。結晶にダメージがあり、値段はお手頃。おなじような色合いで、おそらく径 4 〜 5 cm に達するとおもわれる単結晶の破片もおなじぐらいの値段で売られていた。もしこの大きさで結晶が四周完全だったら相当の値段がつくだろう。

ラピスラズリ Lapis Lazuli

アフガニスタン
Size: 65 × 50 × 40 mm

これは随分前に入手したもの。ほぼ全面研磨されていて、黄鉄鉱のつぶつぶが散らばる。アフガニスタンはラピスラズリの原石の産地として古来有名で、堀秀道「楽しい鉱物図鑑」によると、シルクロードの西半分は「ラピスロード」と言ってもいいくらい、古来中東〜ヨーロッパではこの石が珍重されたという。アフガンブラザーズは、店内商品総重量の半分くらいはラピスラズリなんじゃないか、と思えるくらい大量に原石やその加工品を陳列している。あとこの店はアフガニスタンの遺跡から出るローマンガラスの品揃えも豊富。

信一商事(11Mineral)

ここは中国産の鉱物標本が豊富。とくに店主の審美眼にかなった、カラフルで小さめの標本(径 5 cm 内外のいわゆるミニチュアサイズ)が多いのも特色。この日は買い物はせずに、ただ眺めただけだったが、以前ここで仕入れた標本をいくつか紹介する。

赤銅鉱(針銅鉱) Cuprite (var. Chalcotrichite)

Chengmenshan Mine, Jiujiang City, Jiangxi Province, China (中国江西省九江市 城門山鉱山)
幅: 70 mm

赤銅鉱の針状結晶が母岩のすきまに生えている。一部、針状というよりは細長い板状の結晶もみられる。毛赤銅鉱ともよばれ、日本では秋田県の日三市鉱山産が知られる。

藍銅鉱・孔雀石 Azurite and Malachite

Shilu Mine, Yangchun City, Guangdong Province, China(中国広東省陽春市 石菉鉱山)
標本幅: 44 mm

藍銅鉱(Cu3(OH)2(CO3)2)と孔雀石(Cu2(OH)2(CO3))の組み合わせは俗にアズロマラカイト(Azurmalachite)と呼ばれ、よくみられる。この標本はとくに結晶がしっかりしていて、照りがよい。

さて来週は池袋で東京ミネラルショーがある。コロナ禍で入場が制限されるそうだが、いまから楽しみである。