蜘蛛の巣文 のぞき猪口 Nozoki-type Cup, Strange Disks

19世紀 19th century
口径 width: 52 mm / 高さ height: 52 mm / 高台径 bottom width: 38 mm

濃い青色の呉須で、なにか植物の葉のような文様を背景として丸文を4面に描く。蜘蛛の巣のようにみえるが、笠をかぶったお百姓さんが畑仕事をするようすを上から見た図、のようにもみえる。古伊万里の猪口の有名な図柄で「田植えの図」(もしくは草取りの図)とよばれるものがあるが、それの同工異曲かもしれない。細かい葉っぱの描き方や縁の裏側の渦巻き文様など手が込んでいて、19世紀の上手の古伊万里といえる。

Dark blue disks are drawn on four faces over a fine leaf background pattern. The circular object looks like a spider web, and it also looks like a farmer's hat viewed from above. It may be a different version of a famous old Imari design of rise farmers.  This is a well-crafted 19th century Imari ware.

意図的かどうかわからないが、4つの丸文の高さが微妙に異なる。麦の刈り入れを図案化したもののようにわたしにはみえる。

参考

「古伊万里 蕎麦猪口・酒器 1000」(中島由美編、講談社、2001年)に掲載のそば猪口。田んぼで作業する人を上から見た図、といわれている。
An old Imari cup of farmers working in a rice paddy.