挑戦者を待ち受ける今回の主役の蛍石(アメリカ・イリノイ州産)。八面体のへき開片で一辺の長さは約 37 mm ほど。 Fluorite from Illinois, USA, waiting for the challengers. A cleaved octahedron with a ridge length to 37 mm. 加藤昭氏が執筆された「硫化鉱物読本」(関東鉱物同好会編、1999年)という冊子を 行きつけの白山の店 で先日入手した。硫化鉱物に関する一般的知識と主要な硫化鉱物の各論がしるされている。その「砒四面銅鉱」の項に、 「安四面銅鉱との識別は、硬度(蛍石のへき開片の間でこすると安四面銅鉱は粉末が出るが砒四面銅鉱は蛍石に傷がつく)や比重で」 おこなうことができる、とあった。蛍石はモース硬度 4 の標準物質であるのに対して、 砒四面銅鉱の硬度は 4 ~ 4½、そして安四面銅鉱のそれは 3 ~ 4 なので、たしかにかくあるべきだ。 手元に適当な蛍石のへき開片がなかったので、ふたたび白山におもむき、上の写真のような紫色の、試金石とするにはもったいないくらい立派な標本を入手。以下、実験の記録。 Akira Kato wrote in his book, which I recently obtained at a mineral and fossil shop in Hakusan, Tokyo , that comparison of hardness of fluorite (the standard mineral of the Mors scale hardness: 4) and fahlore can tell whether the fahlore is arsenic-rich tennantite (hardness: 4 ~ 4½) or antimony-rich tetrahedrite (hardness: 3 ~ 4). As I didn't have a suitable fluorite, I went to the shop again and obtained a piece of fluorite that might be too beautiful to b...