石をもとめて川崎から新宿へ To get stones to Kawasaki and Shinjuku

土曜の午後、石をもとめて川崎大師と新宿に行った。

川崎大師の仲見世通りに鉱物をあつかっている店があると聞きつけたのででかけた。ここはブレスレットとかアクセサリーなんかのお店であるが、最近原石、それも鉱物標本的なものを扱いはじめたらしい。中国の瑶崗仙(ヤオガンシャン)鉱山の石がいっぱいおいてあった。

蛍石と硫砒鉄鉱 Fluorite and Arsenopyrite

灰重石 Scheelite

産地はいずれも中国・湖南省郴州市宜章県・ヤオガンシャン鉱山。上の標本幅は約 4 cm、2500円、下が約 3 cm、500円。
From Yaogangxian mine, Yizhang County, Chenzhou, Hunan, China. The upper one: width is 4 cm, 2500 yen. The lower one: width is 3 cm, 500 yen.

蛍石は紫色の立方体で、新鮮な結晶面をみせる硫砒鉄鉱との取り合わせがいかにもこの産地らしい。全体に方解石がふりかかっていて、サイズは小さいがなかなかの佳品だったとおもう。店主にどんな石が好きなんですか、と問われて、なんでも好きですがまあしいていえば金属鉱物ですかね、といったら、店の奥からいろいろ金属っぽいものをだしてくれた。この産地は灰重石も有名である。径 4 〜 8 mm くらいの八面体結晶がいくつかついた鉱片があったので参考品として購入。裏側にはおそらく鉄マンガン重石とおもわれる黒い破片がついている。

川崎大師にははじめてきた。あいにくの雨で、参詣客はまばらだった。ちょっと遅い七五三の子どもたちもちらほらいた。数週間前にのどを痛めて、ようやく咳もおさまってきたが、まだ本調子でないので、咳止めの飴を買った。買ったのは仲見世の入口の店だったが、そこから歩くとまた飴屋があった。客がすくなくておばちゃんも暇そうだったのでその店でもう一袋買った。

左が松屋の飴総本舗のさらし飴(たんきり飴)、右が松屋総本店のせきどめ飴。2軒の松屋は仲良くやってるのかどうか。。。

ホリミネラロジーの即売会が新宿でやっていたので、それにも行ってみた。あんまり買う気はなかったのだが、いざ行ってみるとついつい財布のひもがゆるんでしまった。

炭酸青針銅鉱 Carbonate-cyanotrichite

中国・貴州省黔西南プイ族ミャオ族自治州・晴隆。標本幅は約 3.5 cm、3850円。
Qinglong, Qianxinabu, Guizhou, China. Width is 3.5 cm, 3850 yen.

玉滴石 Hyalite

Kopasz-hegy, Tarcal, Borsod-Abaúj-Zemplén, Hungary(ハンガリー). 標本高さ Height: 4 cm、3300円.

ホリミネラロジーの即売会には過去3、4回くらい行ったことがあるが、片隅に実体顕微鏡と紫外線照射器とがおいてあって、自由につかえるのがとてもよい。顕微鏡の鏡下にすでに炭酸青針銅鉱(Cu4Al2(CO3,SO4)(OH)12·2H2O)が設置されていて、それをみたらなんか欲しくなってしまった。これだけデリケートな結晶なので、やはりダメージは避けられないが、なかなか濃密なフサフサが楽しめる品であった。この鉱物は炭酸塩なのか硫酸塩なのかどっちつかずだが、炭酸基が多いほうがより産出がまれらしい。玉滴石(SiO2·nH2O; オパールの一種)は、そのとなりの紫外線照射器で短波をあてると緑色に光ってきれいだった。ハンガリーの石といえばすでに紫外線長波で蛍光・燐光をしめす石膏標本をもっているが、また仲間がふえてうれしい。

紫外線短波を玉滴石(左)と灰重石(右)にあてた。