投稿

11月, 2026の投稿を表示しています

中山人形と樋渡ヨシ

イメージ
Here I show old Nakayama clay dolls, Akita, Japan, from my collection. Some of them are supposed to be made in the Meiji and Taisho eras (1920s or before) by Hiwatashi Yoshi, who was the founder of doll making in Nakayama. はじめに 秋田県横手市で樋渡(ひわたし)家の代々がつくっている「中山土人形」の実例とその歴史については、1年ほど前に このブログで記事 を書いた。その後に入手した人形の画像も同ページに随時追加している。 中山人形は、明治初期に樋渡ヨシがつくり始めたとされる。しかし創業当初の古い作品については、実物はおろか、書物等で紹介されることもほとんどなく、謎が多い。 ヨシは数多くの人形をつくったらしい。一説には、彼女の人形型は400〜500種もあったという(武井武雄「日本郷土玩具 東の部」1930年  リンク )。にもかかわらず、残念ながら、彼女が型づくりから絵付けまで一貫して手掛けたという土人形の確かな実例に、わたしは出会ったことがない。こうした状況は、土人形に興味をもちはじめて3年ほどのわたしにとって、いかにも欲求不満である。 以下では、最近わたしが手に入れた古人形の中から、ヨシ本人の手になる作品ではないか、とおぼしきもの、あるいはその可能性がわずかなりともあるものをいくつか紹介し、あわよくば、彼女の人形作家としての実像の一端に迫りたいとおもう。 なおここで紹介する人形には、すでに 前の記事 で紹介済みの人形も含まれる。 作例1: 歌舞伎や芝居の登場人物 政岡 #1 政岡 高さ 21.2 cm 歌舞伎の演目、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)の登場人物、 政岡(まさおか) をかたどった土人形である。なにかを睨みつけるような表情、伊達家の家紋を連想させる竹をあしらった豪華な着物、それをたくしあげる仕草など、田舎の一工房がつくったとは思えないくらいの出来映えで、まさに浮世絵を立体化したかのような、洗練された作品にしあがっているとおもう。 参考図: 歌川豊斎(三...