草花文 長猪口 Flowering Plants
古伊万里の歴史に照らせば、江戸時代前期のいわゆる藍九谷から藍柿の時代の器とおもわれる。大ぶりで背高なその姿から俗に長猪口とよばれる。18世紀以降に流行するのぞき猪口の前駆的な形態なのだろう。染付で描かれている花はなんだろうか(芥子の花?)。裏側はまた別の草のようである。縁に 2 cm くらいの「ニュー」が走っている。わたしは基本的に「キズ」のある猪口は好きでないので買わないことにしているが、この品に関しては器の魅力が欠点を上回った。
This is an old Imari cup generally categorized as Ai-Kutani (Blue Kutani) or Ai-Kaki (Blue Kakiemon). The unique tall and round shape is suggestive of a precursor of Nozoki-type cups that are widely used in the 18th century. I am not sure what the flowering plant is (a poppy?). There is a 2 cm crack at the top edge. I basically dislike a flawed Imari cup, but not in this case.
追記
同手の猪口が別の骨董屋で展示されていて、そこでの見解は18世紀前半の伊万里ということだった。古伊万里の世界は奥深いものである。(2022.6.11)