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Showing posts from June, 2020

オハエラのモリブデン鉛鉱とミメット鉱 Wulfenite and Mimetite from Ojuela

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Ojuela Mine, Mapimí, Durango, Mexico (メキシコ、ドゥランゴ州、オハエラ鉱山) 幅 width: 6 cm / 重さ weight: 60 g 鉱床の酸化帯に特有の茶色い、まんなかに穴さえあいているくらいのカサカサの褐鉄鉱片に、緑色でもこもこしたミメット鉱(Pb 5 (AsO 4 ) 3 Cl)と、ツヤのあるオレンジ色で角柱状〜やや先細りで角錐っぽい形のモリブデン鉛鉱(PbMoO 4 )とが着生する。ミメット鉱はふつう黄色だがこういう色合いのものも稀にある。堀秀道「楽しい鉱物図鑑」(草思社)にも、ミメット鉱は典型的な色と形をしていない場合も多く鑑定がむずかしい、とある。この標本のミメット鉱は紫外線長波のもとでやや黄色っぽい白色に蛍光するが、これもつねにそうとは限らないようだ。 この産地のこの鉱物組み合わせは以前からミネラルショーでみかけて色合いがきれいだなと思いつつ、なんとなく手を出しそびれていたが、このステイホーム期間中にネットショップでふたたび出会ってポチッとしてしまった。オハエラ(オフエラ)鉱山は、 前に紹介した燐灰石の産地 と同じ州にある歴史ある鉱山。鉱物の博物館とよばれるくらい種類豊かなうつくしい鉱物標本を供給した。 Moss green botryoidal mimetite and orange lustrous prismatic or somewhat pyramidal wulfenite grow on a piece of brown porous oxidized ores. Yellowish one is more common in mimetite, but there is always exception. Hidemichi Hori wrote in his book that it was generally difficult to judge mimetite because it took various colors and forms. This example shows slightly yellowish white color under a long-wavelength UV light, but not every mimetite is f

石ショッピング Stone Shopping

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東京のコロナ禍もひとまず収束してきた、梅雨真っ只中の雨の土曜日、ひさしぶりに石を買いに大塚に行った。 On the last rainy Saturday when the corona disaster was passing through Tokyo, I went to a mineral and fossil shop at Otsuka. 赤鉄鉱 Hematite Bouse, Plomosa District, Plomosa Mts., Arizona, USA(アメリカ、アリゾナ州、バウス) 幅 width: 5 cm / 重さ weight: 79 g この標本はほぼ赤鉄鉱のみからなり、金属光沢のある六角板状の結晶が多数連晶する。赤鉄鉱はありふれた鉱物だが、ここまで立派な結晶はなかなかみられない稀なもので、惹かれるものがあった。 This piece is made of almost pure hematite. There are numbers of hexagonal platy crystals with metallic luster. 燐灰石 Apatite Cerro de Mercado Mine, Durango, Mexico(メキシコ、ドゥランゴ州、セロ・デ・メルカド鉱山) 幅 width: 4.3 cm / 重さ weight: 39 g 黄色〜飴色の透明な燐灰石の結晶がカサカサした母岩に成長している。いくつかみられる緑がかった黒色の柱状結晶は、その形状と磁石に反応することから、鉄に富んだ輝石だろう(灰鉄輝石?)。あと紫外線短波で緑色に強く蛍光する部分があった。質感からして玉滴石とおもわれる。くわしくしらべればほかにもいろんな種類の鉱物があるのだろう。この産地はこのようなジェム品質の燐灰石で有名。堀秀道「楽しい鉱物図鑑」(草思社)にもここの標本の写真が紹介されている。大きなトレイに30個くらいいっぱい売られていて、気に入ったのを選んでみた。 Yellow to partly orange transparent apatite crystals grow on a porous rock. There are dark green prisma

方解石の小さな双晶 Small Calcite Twins

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産地不詳(岩手県和賀地方か?) Locality Unknown (Waga District, Iwate, Japan?) 幅 width: 13.5 cm / 重さ weight: 422 g  太くて短い水晶が群生し、その上を方解石が覆う。基盤側には少量の黄銅鉱や黄鉄鉱もみられる。方解石の結晶はおおむね犬牙状をなし、両錐があらわれる「完全型」も多数ある。サイズは大きいもので幅 10 mm、長さ 18 mm くらい。この手の熱水鉱脈に出る方解石としては比較的ツヤと透明感があるほうだとおもわれる。 Scalenohedral, partly doubly-terminated calcite grows on a group of short but thick quartz crystals. There is a small amount of chalcopyrite and pyrite at the base. 直径 2 cm くらいの太い水晶の上に方解石がかぶさる。 Calcite covers quartz of 2 cm in diameter. よくよく探すと蝶形や矢筈形とおぼしき双晶がみられる。ただしサイズはとても小さい。一般に双晶は他の単晶にくらべて大きく成長する(たとえば堀秀道「楽しい鉱物図鑑2」草思社、1997年)とされるが、これはその限りではないようだ。 I guessed that there would be very small twinned crystals. A twinned crystal generally tends to grow larger than a single crystal, but this rule does not apply to the present cases. 双晶とおもわれる部分を2箇所みつけた。これは蝶形で c 軸が約127度で交わるタイプ。写真の幅は約 16 mm。 I found two examples that could be understood as twins. This one is a butterfly (fish-tail) type with the c axes intersecting at 127