ナルミ金鉱 Narumi Gold Ore
なるみ鉱とは、石英、緑泥石、赤鉄鉱などからなる鉱石で、金を相当量ふくむ。上の写真は、尾去沢鉱山跡にある鹿角市鉱山歴史館に展示されている標本。径 2 cm くらいのモコモコした暗緑色の礫の集合体のようにみえる。 Narumi ore is composed of quartz, chlorite, hematite and a considerable amount of gold. The above specimen is displayed at Kazuno City Mining Museum, Akita, looking like a dark green conglomerate. 尾去沢鉱山跡に来た のは初めてではないが、さいきん鉱物あつめをはじめて、ちょっと見方が変わったので、今回新たに知ったことをいくつか書き留めてみる。 It was not the first time to visit Osarizawa mine , but I would like to write something new for me after starting my mineral collection. ナルミ鉱は、尾去沢の他、同じ秋田県の阿仁鉱山にも産出する。木下亀城「原色鉱石図鑑」(保育社、1962)には荒川鉱山産の「赤鉄鉱質金鉱」が紹介されている。ぱっと見、冒頭写真のような土くれに 1 トンあたり 100 グラムの金が含まれているとは思えない。ラベルには、六月ヒ第6鉱脈の -5L(観光坑道のある通洞レベルから 5 x 30 m = 150 m だけ地下深くの部分)で採取された、とある。金というのは鉱脈の上部に濃集しているものと思っていたが、下部にもこういう鉱石がでるらしい。 Narumi ore also occurs at several mines in Akita such as Ani and Arakawa (see "Coloured Illustrations of Economic Minerals" by Kameki Kinoshita, Hoiku-sha, 1962). It is surprising that this rock contains 100 grams of gold per