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Showing posts from November, 2018

尾去沢の孔雀石 Malachite from Osarizawa

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秋田県鹿角市 尾去沢鉱山 Osarizawa Mine, Kazuno City, Akita, Japan 標本幅 width 60 mm / 重さ weight 65 g  このような肉厚でムクの孔雀石は、日本では絶産して久しく、いまや目にすることもまれである。同じ秋田県の阿仁鉱山や荒川鉱山の孔雀石は、いくつかの博物館(たとえば東京・上野の 国立科学博物館 や筑波の 地質標本館 )で見られるが、尾去沢のものは意外とないようで、その点でも貴重かもしれない。ただお断りしておくと、これは「ヤフオク」で入手したしろもので、産地が信頼できるものかどうか、ややこころもとない。。。 サイズこそ小さいが、表面のようすは、まるでコンゴ産か、と思われるほど立派だ。表面のモコモコが、パイプ状(鍾乳状)の構造の末端であることは、ちょうど 前掲の黄鉄鉱(白鉄鉱) と同様。同心円状に縞々が見える部分もある。付属した手書きのラベルには、旧金石舎標本、とあった。これが確かならば、かなり古い標本であることは疑いない。金石舎とは、宮沢賢治や長島乙吉などのビッグネームを語る際にも出てくる、伝説の宝石・鉱物標本店である。少なくとも昭和時代までは鉱物標本を扱っていたと思われる。いまも東京・神田に同じ屋号のビルがある。 It is rare to see a thick and pure malachite in Japan because it has long been extinct. Malachite specimens from Ani and Arakawa mines in the same Akita prefecture are relatively well known and displayed in some museums (eg. National Museum of Nature and Science in Ueno and Geological Museum in Tsukuba). I found this specimen at an internet auction, feeling a little uncertainty about the locality... The size is small but the text...

尾太の黄鉄鉱/白鉄鉱 Pyrite/Marcasite from Oppu

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青森県中津軽郡西目屋村 尾太鉱山 Oppu mine, Nishimeya village, Naka-Tsugaru district, Aomori prefecture, Japan 幅 width 75 mm / 重さ weight 118 g この標本を入手したときに添えられていたラベルは「黄鉄鉱」だったが、ぶどうの房のようにもこもこした感じから、いかにも白鉄鉱のようにみえる。そのもこもこの一部は、実は母岩から伸びるパイプ状の構造の末端であることが、裏側からみるとわかる。一個一個の結晶は、てっぺんが平らなピラミッドのような形をしているのが多い。最近、伊藤貞市「本邦鉱物図誌・第1巻」(1937)という古い本をみる機会があった。それによると、一般に黄鉄鉱と思われている標本でも、相当量の白鉄鉱を含むことがある、とのこと。たとえば足尾の曲面黄鉄鉱と称されるものは、大半を白鉄鉱が占めるそうだ。 白鉄鉱は、湿気の多い日本では保存がむずかしく、しだいに分解・崩壊して硫酸を生じ、標本箱がボロボロになる、というはなしをよく聞く。ふたたび伊藤の著書によると、そうした分解のはなはだしい標本は、多くが白鉄鉱と黄鉄鉱とが混ざった鉱石で、純粋な白鉄鉱の結晶は大気におかされることがすくない、という。この標本をみるに、結晶の表面にうす茶色いカサカサしたゴミのようなものが吹き出ている。白鉄鉱の分解物かもしれない。裏側にみえる黄銅鉱も、変質してピーコック・オアの風合いをもっており、これも白鉄鉱(+黄鉄鉱)の分解の影響だろう。 This is a pyrite specimen according to the original label, but it is probably marcasite because of its globular texture, which seems to be the end of a pipe-like structure as seen from the backside. The crystal mostly resembles a pyramid with a flat top. I recently had a chance to have a look at an old book, Japanese minerals i...

オジュウチョウサン!

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本日、東京競馬場で開催の南武特別で、絶好のスタートをきめる3番・オジュウチョウサン(水色のメンコ)。見事勝利を飾り、これで11連勝。有馬記念出走へ、夢がひろがった。 昨年の中山大障害 をはじめ、障害G1レースを5勝した名馬オジュウチョウサンが、平地競走に復帰して2戦目、7頭中3番人気であったが、地力の強さ、スタミナのちがいをみせつけて今回も勝利。馬券もあたった。 さいごの直線、先行馬を猛追するオジュウチョウサン。これは有馬も応援せねば。。。

尾太の方鉛鉱 Galena from Oppu

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青森県中津軽郡西目屋村 尾太鉱山 Oppu Mine, Nishimeya Village, Naka-Tsugaru District, Aomori Prefecture, Japan 幅 width 60 mm / 重さ weight 268 g 四角い方鉛鉱の結晶が寄せ集まって、現代アートの作品のような標本になっている。黄鉄鉱の粒が点々とのっていて、これはまるでティンカーベルの粉みたいだ。黒い塊状の閃亜鉛鉱もすこし伴う。方鉛鉱の表面はつるんとしていて、鈍く輝いている。結晶の一部は軸の方向によって成長の速さが違ったのか、かなり細長い直方体のものがある。また結晶の面の中央部がえぐれているのもあって、これを骸晶という。立方体の稜の部分の成長速度が速すぎたため、面の部分の成長が遅れて、とりのこされてしまったことに起因するといわれている。岩塩(方鉛鉱もおなじ塩化ナトリウム構造)、ビスマスの人工結晶、水晶などにも同様の現象が見られる。 尾太鉱山が閉山する少し前、1970年頃の産出品。茨城県守谷の タケダ鉱物標本 で購入。こういう立体的な結晶のあつまりが晶洞内に形成されるのは、かなりまれなことだとおもうが、尾太鉱山では比較的多く出たらしい。ヤフオクなんかで「尾太」と検索すると、水晶や菱マンガン鉱など、観賞用として愛鉱家の元に保管されていたものが、けっこう古物市場にでているようである。 Several cubic galena crystals gather to form a specimen like a modern art. Tiny crystals of pyrite are sprinkled over it, as if Tinker Bell had done. Sphalerite is also seen a little. The surface of galena is mostly smooth and lustrous. Some of the galena crystals are elongated in one direction. The top one shows a skeletal (hopper) crystal. This is a specimen mined at Oppu around 1970, s...