茨城県自然博物館を見学 Ibaraki Nature Museum
坂東市にある茨城県自然博物館をようやく訪問。
I visited Ibaraki Nature Museum, Bando City, Ibaraki.
東武野田線・愛宕駅前(車回しのほうでなく、通り沿い)から岩井車庫行きのバス(時刻表)に乗り、15分ほどで博物館入口に着き、そこから気温33度の炎天下、10分ほど歩く。利根川周辺は水田が広がるが、このあたりは丘陵地帯である。天然石(大谷石?)でできた立派な蔵があった。
I used a public bus transport from Atago Station, Tobu Noda Line (time table), followed by 10-minute walk from the nearest stop, Hakubutsu-Kan Iriguchi. There was a storehouse built with (probably) Oya Stone during the walk.
お目当ては南部・小室コレクションと呼ばれる鉱物標本群である。南部秀喜(1897-1972)は三菱で鉱山の選鉱場の設計をするかたわら、職権をつかって(?)、各地の鉱山の石を、精細なスケッチとともに収集・記載した、在野の研究者である。小室氏は現在、東京で鉱物・化石標本店を営んでおられる。
My target is Nambu-Komuro Mineral Collection. Hideki Nambu (1897-1972) was a designer of ore dressing plants in Mitsubishi company, and was a non-academic collector and researcher of mineralogy. Mr. Komuro keeps a mineral and fossil shop in Tokyo.
その他の収蔵物もなかなかのものである。隕石標本の充実ぶりは特筆すべきだろう。外国産のきれいな鉱物標本もあった。
Other museum collection is also great. Meteorite collection is very substantial. There are many beautiful mineral specimens from abroad.
茨城県自然博物館は、むしろ生物系がメインのようで、夏休み初日の子どもたちは、どちらかというとそちらに夢中のようであった。図書館もあって、自由に閲覧できる。レストランも併設されており、大きな窓からの眺めがよかった。博物館の隣には広い公園があって、自然観察などできるようである。現在「火山列島日本」という特別展がひらかれていて、それも充実した展示内容だった。こちらの会期は2018年9月17日まで。詳細は博物館のホームページを参照。
帰りは徒歩5分ほどのバス停から守谷方面へ。こちらは博物館から近いけど、便数が少ない。途中、タケダ鉱物標本で石を購入。こちらが本命だったりする。。。
Ibaraki Nature Museum seems to focus on animals and plants, which rather attracted children on the first day of summer school holidays. There are library, restaurant, and big park around the building. This is a great museum for those who love nature. In the return trip, I used a different bus service to Moriya Station, Tsukuba Express Line. The bus stop is closer to the museum but not so frequent. I stopped by Takeda Mineral Specimens to buy some.
南部秀喜が死去したときに、ホリミネラロジーの堀秀道氏が雑誌・地学研究(vol.24 No.1-6 1973)に寄稿した追悼記事があり、南部のひととなりがわかって、たいへんおもしろい。さいごに、そのうちのエピソードのひとつを以下に引用させていただく:
戦後のことであったが、上司に当る工務部長が茨城県高取鉱山に出張することとなった。そのとき南部さんは高取にはトパーズが出る、それをぜひとって来て欲しい、水晶にはヨコにすじがあるが、これにはタテにあるからと部長に念を押しておいた。南部さんの鉱物趣味は、何人も許すほどであったから、部長も快よく承知しておもむき、手選の婦人たちにタテにすじのある石をたずねた。すると一人が、それならこれでしょうと、5 cm ほどの無色透明の美品を差し出した。
帰社して、今にも涎をたらしそうな南部さんの顔をみて部長は一策を案じ、今君がやっている図面が終わったらこのトパーズをあげるからと、おあずけを喰らわしたのである。その翌日さぞや南部君は製図に精を出していることと思って部屋を覗いてみると、その姿が見えない。部屋の者は今日は出勤していないという。南部さんの近くに住む社員の家に聞きにやらせたら、山に行っていますとの返事。
南部さんは部長からトパーズを見せられた時、もう矢も楯もたまらず、帰宅すると直ちに採集道具を引かついで上野駅にゆき、ムシロの上で一夜を明かし、朝一番の汽車で高取鉱山に向っていたのであった。