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尾太鉱山の黄銅鉱 Chalcopyrite from Oppu

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青森県中津軽郡西目屋村 尾太鉱山 Oppu Mine, Nishimeya Village, Aomori Prefecture, Japan 標本幅 width: 9.5 cm / 重さ weight: 258 g いわゆるゲス板状の標本で、針状の水晶の上に径 1 cm にも達する黄銅鉱の結晶が多数のっている。少量の黄鉄鉱をともなうが、他の硫化鉱物はみあたらない。黄銅鉱のいくつかは平らな結晶面で囲まれる教科書どおりの単結晶を示す。一般に黄銅鉱は多数の結晶が結合して不規則な形状をなし、明確な結晶形をあらわさない場合が多いので、こういった標本はめずらしいといえる。ちゃんと測角したわけではないが、少なくとも2種類のひし形十二面体があらわれているようにみえる。 すでに紹介した同じ産地の標本 と似ている。 Several chalcopyrite crystals to 1 cm in size are perched on numerous quartz needles. No other sulfide minerals can be seen except for small amount of pyrite. Chalcopyrite generally tends to show complicated irregular accretion of small crystals. However, this example contains some textbook dodecahedral crystals with flat surfaces. There seem to be at least two types of dodecahedron. The crystals are similar to those of another piece from the same ore field . これは X(331) と y(313) からなる単結晶が2個接触したものとおもわれる。 Probably composed of X(331) and y(313). 中央のひし形の面が特徴的な結晶はおそらく m(110) と e(101) とからなる。 The rhomboid is probably m(

東北の古いやきもの3点 Three old potteries from Tohoku district

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山形の古い片口 を以前紹介したが、その後も東北のやきものに注目していくつかあつめてみた。一般に以下に示すような古い(といってもせいぜい150年前くらいの)生活雑器はそこまで芸術的・学術的に注目をあつめておらず、それがどこの窯で、何年前くらいに焼かれたのかはほとんど特定されていない。骨董屋のいう産地も得てして当てにならない。そのようなわけでタイトルに記した産地はまちがっているかもしれない。 Since I obtained an old Yamagata lipped bowl several months ago, I have been interested in potteries that once existed in the Tohoku district, Japan. As the following pieces of earthenware were mass-produced daily necessaries, their artistic and academic value is not very high. Even antique dealers can't exactly say when and where they were made. The origins are therefore quite unsure. もくじ 楢岡焼 甕 産地不明 片口 平清水焼 片口 補足 1. 楢岡焼 甕 Naraoka Pot 高さ Height 11.2 cm / 口径 Top width 10.8 cm / 胴径 Body width 11.5 cm / Bottom width 底径 6.7 cm 水道が普及する以前はどの家にも大きな水甕が何個か備えられていたものだが、これはそうした甕(カメ)の中でももっとも小型のもので容量は3合(540 ml)ほどである。台所で塩を入れておくのにつかわれたということで塩甕とか塩壺ともよばれる。胴および高台には赤黒いかんじのする濃い褐色の釉が、いっぽう縁に近い上部と内面とには青白い釉薬がそれぞれ施されている。後者は東北のやきものによくみられるもので一般に「なまこ釉」とよばれる。この甕のなまこ釉は厚くかかった部分は白く発