絵志野片口 Shino-ware Bowl with a Lip
江戸後期 Late Edo Period (19th century) top width: 10-11 cm, height: 6.1 cm, bottom width: 5.2 cm ちょっと前に 東京国際フォーラムの中庭でやってる大江戸骨董市 で求めた。骨董商によると江戸後期のもので、この時代の志野の片口はめずらしいという。全体にひび割れ(貫入)がみられることからわかるとおりやや焼きが甘いが、器の形や絵付けはシンプルで屈託がなく、また長い間使い込まれた風合いも出ている。骨董屋のいうとおり200年くらい前の江戸期の職人の手際のよさがうかがえる、気がする。いつもは古伊万里しか買わないわたしだが、このあいだも 成島焼の片口 を衝動買いしたし、なにか心情の変化が起こりつつあるのかもしれない。 This lipped bowl was sold at Oedo Antique Market held roughly twice a month in a courtyard of Tokyo International Forum, Yurakucho. The antique dealer said it was made in the late Edo period and lipped bowls were rare in such old Shino wares. The skin is full of cracks, but I think the simple shape and drawing imply the potter living almost 200 years ago was skillful enough. 形はややいびつである。注ぎ口はいかにも素朴なつくりで、ためしに酒を注いでみるとキレがわるくしずくが垂れる。本来はもう少し先っぽを上向きにして傾斜をつけるべきだろう。わたしは土を見て産地を言い当てるようなスキルはまったく持ち合わせないが、見る人が見ればどこでつくられたのかわかるかもしれない。 志野焼とは16世紀末に美濃地方ではじまった焼物の様式で、不透明乳白色の長石釉が厚くかけられているのが特徴(たとえば 美濃焼伝統工芸品協同組合のページ を参照)。志野焼