小坂鉱山の銅藍 Covellite from Kosaka Mine
秋田県鹿角郡小坂町 小坂鉱山 Kosaka Mine, Kosaka Town, Akita Prefecture, Japan Size: 54 × 38 × 26 mm / Weight: 80 g 黒鉱型銅鉱床酸化帯に生じた銅藍(コベリン)の標本。黄鉄鉱や黄銅鉱を主体とする黄鉱中に晶洞ができて、その後天水の影響下で酸化され、その晶洞の「溜まり」に銅藍の結晶が密生したものとおもわれる。銅藍は六角形の薄板もしくは鱗片状で、径はせいぜい 2 ∼ 3 mm ほど。緑色の部分はなんらかの銅の2次鉱物。 A covellite specimen from an oxidized zone of a kuroko -type copper deposit. It is likely that there occurred a druse in a yellow-ore deposit mainly composed of pyrite and chalcopyrite, and that many covellite crystals grew after an oxidation process. The crystal is generally a thin hexagonal flake of 2 to 3 mm in size. There are some green copper-containing secondary minerals too. 拡大写真。メタリックブルーの独特の輝きをみせる。 裏側。標本本体は風化された黄鉱のかたまりとおもわれる。ところどころ粗粒の黄鉄鉱がみられる。 今週開催中のホリミネラロジーのセールにて購入。1970年から80年代に同社が収集した研究資料標本の放出ということだったが、堀秀道の手書きとおぼしきラベルの風合いからして確かにそれくらいの時代を感じる。そして標本自体はもっと古いものと想像する。小坂鉱山の鉱床は大別すると元山(もとやま)地区と内の岱(うちのたい)地区とに分けられるが、後者は戦後発見された潜頭鉱床(地表に露頭をもたない鉱床)で大規模な酸化帯を伴わず、この標本のような銅の2次鉱物はあまりみられなかったと思われ...